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【2025/08/05 23:08 】 |
◆高村光太郎 激動するもの : さういふものだけがいやでも己を動かすのだ
テーマ:高村光太郎
高村光太郎詩集 (新潮文庫)/高村 光太郎


 


激動するもの



さういふ言葉で言へないものがあるのだ
さういふ考方に乗らないものがあるのだ

さいいう色で出せないものがあるのだ
さういふ見方で描けないものがあるのだ

さういふ道とはまるで違つた道があるのだ
さういふ図形にまるで嵌(はま)らない図形があるのだ

さういふものがこの空間に充満するのだ
さういふものが微塵の中にも激動するのだ

さういふものだけがいやでも己を動かすのだ
さういふものだけがこの水引草に紅い点々をうつのだ






言葉では表せないことがある。


でも、言葉にしないと伝わらないこともある。


言葉に出来ても、そういうことを十分表せていないこともある。


知っていることばかりが全てではなく、知らないことの方が多い。


分からないことがあることを、認められたとき、ひとつ大きくなれる。


分かったつもりで蓋をしたとき、歩みが止まる。


空の色は、言葉では表せないから、毎日みたくなる。


海の音は、表現できないから、ふと聞きたくなる。


分からないことが不安になることもある。


だけど、分からないけれども、そういうものがあることを信じたいものがある。



見えるものが全てじゃない。


見えるものを通して、見えないものを見たい。


聞こえることが全部じゃない。


聞こえる声を通して、声なき声を聞きたい。



そういうものに、動かされる自分でいたい。




 

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【2010/11/12 13:44 】 | 未選択 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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